2016年5月12日木曜日

今日のランチ(2016.5.12)

食パン・チキンバジル焼・グリーンサラダ・コーンスープ・牛乳・オレンジ

0512

 

 今日のランチはチキンのバジル焼き。

 昔の卒業生は知らないかもしれないので説明すると、厨房が新しくなった時に入った蒸気オーブン。こいつで焼いたチキンに、バジルの風味がついている。

 ガスオーブンと違って、カリッと焼きあがる感じはないが、無駄な油を落とし、なおかつ旨みが残るのが特徴だ。

 鶏肉は俺の大好物。

 これは子供のときから変わらない。

 昭和四十二年頃、今は亡き祖父に、上野の精養軒に食事に連れて行ってもらったことがある。

 俺は小学校一年生か、二年生だった。イイクボ君という友達も一緒だった。

 当時は、上野の精養軒に食事に行く、というと、ちょっとした祝祭気分だったかな。

 銀座の風月堂のフルーツパーラーとかね。そういう、ちょっとした贅沢をする習慣があった。

 祖父に精養軒に連れて行ってもらったのは、後にも先にもそれが最初で最後だった。

 祖父は機嫌がよく、「何でも好きなものを食べなさい」と言った。

 すると、イイクボ君が間髪をいれず、「ぼくビフテキ!」と叫んだのだ。

 そこで俺も負けじと、「ぼく鶏の足!」と叫んだ。

 すると祖父は何度もなんども、「本当に鶏の足でいいのか。ビフテキでもいいんだぞ」と念を押したが、俺はそのたびに、「鶏の足」と答えた。

 当時、ビフテキはご馳走の代名詞で、鶏の足はビフテキの三分の一ぐらいの値段だった。

 

 思えば五十五歳になるまで、何羽の鶏を食べたんだろう。

 数え切れないほどの鶏さんの命をいただいた訳だ。

 その犠牲にふさわしい人生を送っているのかなと、俺は今日、真剣に思った。

(T.H)